矢部浩治著 『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』

この本は知り合いの勧めで読みました。

3~4日前に閉会した国会で、常識で考えられないことがたくさん行われました。私のような一市民というか家にばかりいる主婦が、おかしいと思わざるを得なかったのです。議席多数を占める議会の与党が私を含む国民をここまで馬鹿にするようなことをしていいのかと驚きました。

一昨日も安倍首相はこれからの3年間を党首としてどのような方針で日本経済を立て直し、福祉を充実させていくかを話しました。今後何をするのか全く言わないで、聞こえのいい甘いことばの羅列でした。私たちを簡単に騙せると思っているのでしょうね。数年前に与党が出した憲法改正案をみても分かります。彼ら与党の人たちは、憲法は国民を支配する道具にしたいと思っているようです。憲法は時の為政者が暴走するのを止めさせるために制定されているものなのに。
私は放送を聞きながら大人げなくも怒ってしまいました。

国会で安保関連法案が討議されている間、居ても立っても居られない気持ちをどうしたらいいのかと、普段は政治にかかわらない私のようなものが路上に出てデモに参加するようになりました。

デモなんかしても政治は変わらないと思う反面、デモぐらいしないと何も変わらない。私のような一市民はやはり路上に出るしかない。私の父は赤紙一枚で徴兵されました。幸運にも83歳まで命を永らえることができました。その父が「戦争に行きたくない」という言葉を全く許されなかった時代の空気を話してくれたのは一度だけでした。父が83歳で亡くなって20年になります。私はその父と一緒にデモに参加しています。どうすれば日本の国政を少しでも変えることができるのかと考えています。

日本の国政で私が今までに疑問に思っていた事は沢山ありました。この本『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』を読むうちになんとなく疑問に思っていて意味不明な問題点が、解けていきました。空を厚くおおっていた雲がみるみる無くなっていく感じです。無知だったなあ・・・
下記は、私の数々の疑問点です。
①数年前の憲法改正案で基本的人権が無くなっていた。一人の人間の人権が尊いにもかかわらず、なぜ家族の団結が大事だと変更されねばならないのか。
②沖縄で米軍機が墜落したら、なぜ日本の警察は現場検証できないのか。
③米兵が犯した犯罪をなぜ日本の裁判にかけられないのか。
④民主党党首だった小沢一郎さんの冤罪。なぜ小沢さんは冤罪にもかかわらず党首を引きずりおろされたのか。なぜ日本の裁判所は政治への影響力がないのか。
⑤「米軍・普天間基地の、県外または国外への「移設」」を発表した後、なぜあっという間に失脚したのか。当時、与党である民主党の鳩山由紀夫首相に対してなぜ検察が敵対したのか。
⑥最近では安保関連法案の説明にホルムズ海峡とアメリカ潜水艦に母子が乗っている想定がなぜ簡単に崩れたのか。なぜこんなに明白な嘘を議会での説明に使ったのか。
⑦砂川裁判は争点が集団的自衛権ではないにもかかわらず、なぜ集団的自衛権容認の事例として与党は説明したのか。またその当時、裁判を担当した最高裁長官はアメリカ大使と裁判が始まる前から話し合っていたのはなぜなのか。
⑧原発再稼働しないという公約を掲げて通った自民党議員たちは、再稼働するようになぜ意見を翻したのか。
⑨福祉に使うと言って消費税を増税したにもかかわらず、なぜ法人税を下げ、低所得者に対する制作改正を始めないのか。
⑩違憲の安保法案をなぜ無理やり通すのか。その安保法案を議会で討論する前になぜアメリカの議会で約束してしまうのか。

私はなぜ、政治家がここまで堕落せねばならないのか。とても疑問でした。
それで、この本『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』を知り合いから勧められて読んでみました。
読んで良かった。

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか
矢部 宏治
集英社インターナショナル
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戦後すぐからのアメリカ統治時代、昭和天皇、共産主義の脅威、大西洋憲章、国際連合の敵国条項、などなど、日本の戦後70年の歴史が分かりやすく解説されていました。陰謀論なのかと思いきや、歴史事実に基づいた公文書の開示などによるもので、これからの私がどう行動するかについて参考になる本でした。政権が変わっても政治は変わらない理由も分かりました。
私は政治家の「守りもしないマニュフェスト」や「NHKなど政権寄りの報道」に騙されることなく、日本に住むひとりの個人として自分で考えて行動していきたいと思います。