菅野完著『日本会議の研究』 (すがの たもつ)

衆議院の2/3以上の議席を獲得した与党(自公)。安倍政権がここぞとばかりに暴走している。
戦後70年間を平和に導いてきた「平和憲法」を改憲し、名実ともに戦争ができるように変えようとしている。
国民一人一人の基本的人権までも剥奪しようとしている。

この安倍政権の暴走を支えているのが「日本会議」。
私は「日本会議」はヘイトスピーチで有名になった右翼団体かなと思っていた。
しかし実際は政治に圧力を加え、改憲まで可能にするまでに成長した右翼団体だった。

設立当初は「日本を守る会」という宗教団体の集まりだった。
今は日本中で政治活動をする「日本会議」という団体で、その組織票を利用して政治家を意のままに動かすための票田を形成している。
彼らの目的は憲法改正。
→「美しい日本の憲法を作る国民の会」 役員名簿に作家の百田尚樹の名前が!
彼らの活動形態は、地道な市民活動の継続。なにせ宗教色の濃い団体なので、世代交代ができるのが強み。
「日本会議国会議員懇談会」なる別働団体を設立していて、この会に所属している国会議員が、現在の第三次安倍内閣の全閣僚の8割を超えている。という驚きの事実。
これって安倍内閣は日本会議に乗っ取られている、または日本会議そのものってことなんだね。
それ以上に驚いたのは、彼らは憲法を改正して「明治憲法の復活」を願っている。天皇の復権、家族制度の復活だよね。

本気なの?これは歴史の後退そのもの!この本、読んで良かった。
第二次大戦は「軍の暴走で戦争勃発」って習ったけど、「安倍政権の暴走で戦争勃発」ってことになりかねない。
私は7月の参議院選挙では自民・公明党には勿論、民進党など自民党以外で「日本会議」に入っている人物には、票を入れません。
「平和憲法」を変えることを、赤紙一枚で徴兵され、結核を患い、シベリヤの兵舎の廊下に荷物同然に転がされていた父は納得しないと感じるのです。

日本会議の研究 (SPA!BOOKS新書)
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